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2005年4月30日(土) |
グリーンフィンガー。 |
植物を上手に育てる人のことを(もしくはその人の手を)「グリーンフィンガー(の持ち主)」と言うのだそうだ。
夫の母や私の母は、グリーンフィンガー。
その辺に咲いている気に入った植物を、ちょっと挿し木にして花を咲かせてしまうのだから。
なんでもすぐに枯らしてしまう私は、さしずめ「ブラウンフィンガー」か。
そんな私でも、この季節に気になるのが、薔薇だ。
4種類ほどの薔薇が、いっせいにつぼみをつけるこの時期、登場するのがアブラムシ。
新芽や小さなつぼみに、しっかり付いている。
やわらかいところ、おいしいところを知っているのだ。
かわいそうなくらいびっしり付いているから、薬をまこうか、お酢をまこうかと考えながら、手でつぶしていく。
気持ちが悪いが、仕方がない。
たちまち、指が黄緑色に染まっていく。
このときばかりは、文字通りグリーンフィンガーだ。
それにしても、生き物の正直さ、正確さというのには驚いてしまう。
そうしないと生きていけないから、だろうけれど、余計なことをせず、目的に向かって一直線というのはある意味で感心する。
私には、できないなぁ。
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2005年4月28日(木) |
芹沢_介美術館。 |
少し前の「新日曜美術館」で紹介されていた『芹沢_介の集めた椅子』展。
一緒に見ていた娘も、「行きたい」と言っていたので、代休の今日、行ってみることにした。
fuuちゃんも誘って、電車で小一時間。
登呂遺跡のある公園の奥に、ひっそりとたたずむ「芹沢_介美術館」。
小さいけれども、とても見ごたえのある展示品が置かれていた。
芹沢_介は、型染という手法を用いて、着物や帯、屏風、のれんなどを手がけ、そのほかにも物語や新聞小説の挿絵、水彩画、ガラス絵なども描いていた。
染物や絵画だけでなく、カレンダー・絵本・マッチのデザイン・装丁、それに蔵書票など、色々な分野で才能を発揮していたそうだ。
どれものびのびと屈託なく、見ていて楽しくなってくるものばかり。
また、色使いやデザインの美しさには、はっとさせられる。
蔵書票やマッチの図案など、復刻してくれないかなぁ、と思う。
芹沢_介のもう一つの仕事、それは工芸品の蒐集だったそうだ。
今回はその中でも椅子のコレクション。
こんなに一体どこで集めたの?と思うような、様々な国、様々な形の椅子が並んでいた。
がっしりした教会用のものから、小さくて動物の形のような可愛らしいものまで、本当にいろいろ。
実際にこれらの椅子に座って、友人と話したり、作品の構想を練ったりしていたそうなので、ただのコレクターではなく、道具として活用していたのだ。
「民藝」という流れの中での自然な行為なんだろうな。
以前、fuuちゃんにもらったカレンダーの絵柄がすばらしく、それ以来興味を持っていたので、今回作品が見られて本当によかった。
教えてくれたfuuちゃんに感謝です。
(写真は、復刻版2005年カレンダーのうちの10月です)
芹沢_介美術館HP
http://www.seribi.jp
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2005年4月27日(水) |
遠足。 |
思いっきり晴天の、今日は遠足日和。
娘はお弁当の卵焼きを自分で作って、はりきって出発。
片道5キロ、往復10キロ歩くんだって、と言うのだけれど、
数字のイメージばかりがふくらんで、実際にはよく分かっていないみたい。
お弁当とお菓子。
冷たい麦茶の入った水筒。
その他もろもろを背負って、歩け歩け。
帰ってきたら、ほっぺも腕も日に焼けて赤くなっていた。
楽しかったんだね。
おしゃべりが尽きないから。
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2005年4月25日(月) |
一瞬。 |
毎日を、当たり前に過ごすということ。
「ただいま」「おかえり」と、言葉を交わせるしあわせ。
一瞬で、日常を奪われるというむごさ。
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2005年4月24日(日) |
楽しいということ。 |
夕方から、とある打ち合わせ。
ほとんどが初めてお会いする人たちだったが、
なんだかとてもいい雰囲気で、和やかなひととき。
娘もすっかり打ち解けて、はしゃいでいた。
みんなそれぞれにやりたいことがあり、
目標に向かってこつこつと続けている。
でも、決してストイックではなく、
できることを一生懸命、楽しそうにやっている。
楽しいっていうことが、原動力になる。
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2005年4月23日(土) |
授業参観。 |
いつもはお休みの土曜日。
今日は授業参観があるので、娘はお弁当を持って学校へ。
13:55から、と思いながら午前中用事を済ませ、お昼ごはんを食べて、夫と学校へ出かける。
学校の近くまで行くと、ランドセルを背負った子どもたちが校舎から出てきた。
あれ?と思いながら、のんきな私は疑いもなく校舎に入っていくと、娘と同じ学年の子どもたちも下校の様子。
???
もしかして…時間を間違えた?
娘のお友だちのお母さんに聞いてみたら「今終わったよ」と一言。
あせって教室に行くと、もう娘の姿はない。
懇談会があるので、私はその場に残り、夫は娘の後を追って帰った。
懇談会が終わり、おそるおそる家に帰ると、仏頂面の娘が座っていた。
下校途中に追いついた夫が、娘に声をかけると、
涙をぽろぽろこぼして、大泣きしたという。
担任の先生も、「お母さんが来ない、と言ってずいぶん気にしていました」とおっしゃっていた。
「すみませんでした」と言うと、
「娘さんにあやまってください」と言われてしまった。
日ごろ生意気ばかり言っていても、
親の来るのを楽しみに待っているなんて、
まだまだ小さいのだ。
その気持ちに甘えているのは、私の方なのかもしれない。
あやまって許してもらったけれど、
宿題の作文の題材にされてしまった。
当分、ちくちく言われるのだろうな。 |
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2005年4月21日(木) |
おいしい贈り物。 |
四国の友人から、パンとクッキーが届いた。
娘の誕生日にと、ローマ字でかたどった名前のクッキー。
天然酵母と国産小麦で焼いた、ノンオイルのパン。
最近は玄米菜食に行き着いた、と以前手紙に書いてあった、彼女らしいヘルシーな選択。
お菓子やパンを焼くのが好きで、小さなマイキッチンを作ってしまったという。
彼女とは、大学時代、寮で同じ部屋になり、隣の部屋のもうひとりの四国の友人と一緒に、泣いたり笑ったりして過ごした。
時を経て、お互い奥さんになったりお母さんになったりしても、中味はあんまり変わっていない(かな?)
こうして忘れずにいてくれて、本当に嬉しい。
あのころからずいぶん時間が経ってしまったけれど、どうしているかなという気持ちはいつもある。
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2005年4月20日(水) |
誕生日のプレゼント。 |
ふーちゃんお手製のクッションカバー。
夫の誕生日と娘の誕生日が近いので、
それぞれへのプレゼントとのこと。
麻布との組み合わせが絶妙で、本当に素敵。
ありがとう。
「私のは?」と聞いたら「秋にね」とのこと。
楽しみに待ってるからね。
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2005年4月17日(日) |
いちごジャムとさくらワイン。 |
昨日、アルカネットで、できたてのいちごジャムを買った。
まだ熱くて、ほんとに作ったばかりの、おいしそうなジャム。
夜、イチジクのパンと一緒に食べてみる。
甘さがちょうどよく、酸味もきいていて、とてもいい味。
今朝、娘が「おいしいおいしい」と、どんどん食べてしまった。
こらっ、贅沢者!
さくらワインは、河口湖の友人のおみやげ。
ほんのり桜色にぴったりの、あまいお酒。
限定2000本の、貴重品です。
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2005年4月16日(土) |
もう一度、行きたい。 |
「世界・ふしぎ発見!」で、トスカーナ地方の塔のある街の特集をしていた。
先日行ったシエナも紹介されていて、3人で「おぉーっ!」と歓声。
本当に美しい、すてきな街だったので、よけいに思いが募る。
他にも、行きたかったサンジミニャーノ、トスカーナのお隣ウンブリア州にあるオルビエートなどが登場して、ますます「おぉーっ!」
いつかきっと、また行きたい。
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2005年4月14日(木) |
すごく太いパスタ。 |
イタリアで買った「pici」(ピチ)というパスタをゆでた。
乾燥している時はそうでもないのだけれど、
ゆであがると、ものすごい太さ。
「うどんみたいだ」と夫が言った。
濃い味つけのミートソースで食べてみる。
パスタの太さと野菜がどっさりのソースで、
口の中はすごいボリューム。
おいしいけれど、毎回だとちょっと飽きるかな。
「シニョーラ、このピチにイノシシのラグーをかけると(と言って、瓶詰めのラグーソースをかけるまねをする)、とてもおいしい。」
シエナのお惣菜やさんで、お店のおじさんが丁寧に2回も(アクション付きで)説明してくれた。
が、瓶詰めは重い。
残念だけどあきらめて、パスタだけ買って帰ったのだった。
シエナは本当にいい街だった。
また行きたいなぁ。
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2005年4月13日(水) |
誕生日。 |
今日は娘の誕生日。
チキンとケーキでお祝いする。
難産で大変だったこと。
1歳直前と3歳直前の2回の私の入院時、
お見舞いに来てくれた時の娘の表情や、その時の私の気持ち。
何回もおんなじ絵本を読まされて、こちらが飽きてしまったこと。
よちよち歩きで出かけたお散歩。
小さなころの思い出、あれこれ。
「ハッピーバースディ」を歌ってあげたら、
とてもうれしそうに、にこにこしていた。
9歳おめでとう。
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2005年4月12日(火) |
花冷え。 |
初夏のような陽気から一転、花冷えのする一日だった。
満開だった桜もすっかり葉桜になり、
散り積もった花びらが、薄桃色の帯になっている。
毎年「まだまだだな」と油断しているうちに、
桜の季節も終わる。
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2005年4月9日(土) |
花の宴。 |
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お花見に行こうと、お弁当を持って友人たちとクレマチスの丘へ。
知らずにいったら、「桜まつり」というのをやっていて、大変な人の数。
テントのお店や、色々な催し物が開かれている。
正直、ちょっと困ったな、どこでお弁当を食べようかな、とさまよっていたら、なじみ深い音楽が聞えてきた。
催し物の案内看板を見ると、「守安功、雅子」と書かれてある。
えぇっ!
友人たちも私たちも、アイルランドの音楽が好き。
この守安ご夫妻は、アイルランド音楽の演奏家で、
昨年の冬にもすばらしいコンサートを聴かせていただいた。
そのお二人のコンサートが、野外ステージで始まっていたのだ。
お弁当そっちのけで、さっそく座って聴き始める。
ご主人の功さんは木製の笛(フルート)や金属の小さな笛(ティン・ホイッスル)、それに楽しいおしゃべりを担当。
奥様の雅子さんは、アイリッシュハープやコンサーティナ(小さなアコーディオンのような楽器)、スプーンズ(スプーン2本がリズム楽器に変身)を操る。
たぶん、初めてアイリッシュミュージックに触れたお客さんも多かったと思うが、晴れた青空と満開の桜の元、思わず手拍子足拍子、の楽しいコンサートとなった。
コンサート終了後に販売されたCDを買いに、舞台袖に行くと、
私たちのことを覚えていてくださって、また感激。
昨年のコンサートで夫がリクエストした曲を、レパートリーに加えてくださったそうで、後で楽屋で聞かせてくださるとのこと。
大喜びでうかがう。
笛とハープの演奏は、本当に美しかった。
リクエストしたその曲は、大変思い出深いもので、
翌日は夫の誕生日ということもあり(ハッピーバースディも吹いてくださった)、涙が出るほどうれしかった(実際、涙ぐんでしまったもの)。
その後、ご夫妻を交えて、アイルランド音楽を愛する人たちとの交流もあり(アイルランド出身の方も!)、お弁当をつつきながらの楽しいひと時をすごすことができた。
娘はスプーンズの使い方を教わり、一曲セッションに加わった(笑)。
桜を見ながらの、花の宴たけなわ。
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2005年4月8日(金) |
桜咲く。 |
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ちらほらと、ほころびかけたなぁと思っていたら、
あっという間に満開になっていた、近所の桜たち。
ふわふわの薄桃色が一面に広がって、
なんだかいい気持ちになってくる。
と同時に、散り頃の花吹雪の下では、
何か物狂おしいような思いにもとりつかれる、なんていうのは、
物語の中だけかな。
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2005年4月4日(月) |
松浦さん。 |
旅行の帰り、成田に朝着いたので、せっかくだからちょっと遊んでいこうと、中目黒の「カウブックス」に行ってみた。
結構疲れていて、家に直行したい気持ちもあったけど、
一度帰ったら、なかなか東京までは来られないよ、と、夫に励まされつつ、代官山の駅から緩やかな坂道を下り、目黒川沿いへ。
…が、残念、「カウブックス」は水曜定休だった。
(その日は水曜日。)
シャッターの閉まったお店の前で、ついつい中をのぞきこんだり、写真を撮ったり。
いつまでもぐずぐずしていたら、後ろから、
「すみません、今日、店休みなんです。」と声がした。
振り向くと、自転車に乗った松浦さんがいたのだった。
実はこういう訳で、と夫が説明すると、
じゃあ見るだけならどうぞ、と松浦さんはお店を開けてくださった。
わくわくして中に入る。
気になっていた本、読みたかった本、色々ある。
「牛、あげるよ。」と、娘は牛のマスコットまでいただいた。
きょろきょろとあちこち見渡し、気になっていたトーベ・ヤンソンのエッセイを一冊、(無理を言って)買わせてもらった。
夫がバッグの中をごそごそと何か探している。
あっ、と思って「蔵書票?」と聞くと、「うん。」
シエナやフィレンツェで求めたものだが、そうだね、お礼にぴったりだね。
きれいな三色菫のものを、お店を開けていただいたお礼に差し上げた。
松浦さんは、「きれいですね、大切にします。」とおっしゃっていた。
帰ってからお礼のメールを出すと、翌日お返事をいただいた。
一度お店の横を通り過ぎたのだけれど、お客さんらしき人がいたので、引き返してくださったのだそうだ。
「丁寧な人だね。」と夫が言った。
松浦さんの日記を読むと、いつも書かれている言葉。
丁寧に。
親切に。
正直に。
誠実に。
その人に実際接してみると、言葉以上のものを感じることがある。
ああ、この言葉は、こういう人から発せられたのか、と。
たとえその人自身を深く知らなくても、雰囲気というものは確かに伝わってくる。
短い時間だけれど、松浦さんに出会って、そんな風に思った。
私は人に、丁寧に、親切に、正直に、誠実に、接しているんだろうか、と自問自答する。
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