イタリア旅日記 2
ローマからシエナへ(3・24)

おはよう!
外はもうにぎやかにクラクションが鳴っています。
窓のよろい戸を開けて、外の様子を見てみました。
夫によると、観光客がすでに行動を開始しているとのこと。
私たちも、朝ごはんを食べて、行動開始。

ホテルの朝ごはんは、どこでも甘いパンがいろいろありました。
クリームやジャムが入っていたり、お砂糖がかかっていたり。
それも、一つが結構大きいので、欲張るとおなかいっぱいに。

しっかり食べたら、地下鉄に乗ってティブルティーナ駅へ。
地下鉄はスリが多い、なんてよくガイドブックに書いてあるし、ちょっとドキドキ。
でも、通勤時間のせいか、みんな忙しそうにすたすた歩いていきます。
地下鉄のチケットは、売店でも買えるんですね(ここでも子どもは無料)。

A線、B線のうちのB線に乗って四つ目の駅で降車。
…のはずだったのが、一駅目を過ぎて、突然「パーン!」という音が。
直後に電車が止まり、乗客はいっせいに外に飛び出しました。
「もしや、銃声?」と私たちもあわててホームへ。
なにが起こったのか分からず、他の乗客の様子を見ていると、車両の下のほうから火花が散って、
再び「パーン!」。えぇ〜!?
しばらくして、アナウンスが流れましたが、何を言っているのか分かりません。
分かったのは「ダメだこりゃ」ということ。乗客は首を振りながら階段を上がっていきます。
仕方ない、私たちも後に続きました。

タクシーに乗ってティブルティーナ駅まで行き、シエナ行きのバスのチケットを買ったら、少し余裕が出てきて、
せっかくだから、ローマの街をちょこっと観光しようということに。
(今回の旅では、ローマにはあまり重きをおいていなかったので)
とりあえずバチカンまで行って、なんて思ったけれど、もう長蛇の列。
あきらめの早さは誰にも負けない我が家です。

ここは時間もないことだし、とにかく一ヶ所ぐらいはと
あの有名なスペイン広場の階段へ。
こじんまり、のんびりした場所でした。

その後、街を眺めたり、アイスクリームを食べたりしていたら、バスの時間が
近づいていました。
大急ぎでタクシーでホテルまで戻り、荷物を持って、同じタクシーで
ティブルティーナ駅まで飛ばしてもらいました(ほんとに飛ばした〜)。
ちょうど渋滞の時間と重なってはらはらしましたが、無事到着。お昼過ぎのバスでシエナへ出発。

ローマーシエナ間は、バスで約3時間。
のんびりと草を食む羊や牛の群が見えたり、緑の牧草地帯が広がったりと、田園風景が続きます。
時々、小高い丘の上にある家が見えると、「こんなところでアグリツーリズモ体験ができたらなぁ」と
ため息。農家の経営する小さなホテルに泊まって、マンマのお料理を食べて…。
それはまた次回のお楽しみとすることに。

古い石造りの家を改装している場面にも何度か出会い、またまたため息。
「こんな所に住めて、ぶどう畑でもあればなぁ(オリーブ畑でも可)」
こちらは老後のお楽しみ…?

シエナは、トスカーナ州のちょうど真ん中へん。
12世紀には自治都市として独立していたという古い街だそうです。
曲がりくねった坂を上ったり下ったり。石畳がどこまでも続いていきます。
本当に中世のまま、時が止まったようなとても美しい街。

「イタリア一美しい」といわれるカンポ広場にて。
ここにはたくさんの人が集っています。
ごろりと横になる人、のんびり歩く人、小さな子どもを遊ばせる人…。
広場を見渡すカフェにも、おしゃべりしながらくつろぐ人たちが。

やがて、なんだろう、街中の人がやってきたのかな?と思うくらい、そぞろ歩く人々の数が増えてきました。
どうやら観光客ではなく、地元の人たちのようです。
ほとんどが家族連れ、それも小さな子どもを連れていました。
おじいちゃんやおばあちゃんも一緒。ベビーカーを押して(坂の多い街なのに)
やってくる人たちもたくさん。
きれいにディスプレイされたショウウインドゥをのぞいて、楽しそうにしています。
なんだかそこには、この街を愛しているんだなぁと思える、あたたかいものを感じました。
そして、「美しい広場」の意味が、少し分かりました。
人々がいて、初めて「美しい空間」になるのだと。
美しい広場は、人々が作るのだと。


そういえば、今日はお昼ごはんを食べていなかった!
カンポ広場の見えるカフェで食事をしました。
暗くなって、少し肌寒くなっても、みんなかまわず外席で楽しく過ごしている様子。
寒がりの私たちは屋内の席に。
ポルチーニのクリームソースのパスタや、ラザニア、夫は…なんだっけ?
娘は、「平らなパスタ 」がすっかり気に入ったようです。

通りにはいろんなお店が軒を連ねています。それこそ高級ブランド店から八百屋さんまで。
そのどれもが、店先をきれいに飾って、人々の目を楽しませてくれています。
ブランド品には興味がないけれど、やはり気になるのは食材屋さん・紙屋さん、そして本屋さん。

お惣菜屋さんのうちの一軒、チッタ通りにあるアントニオさんのお店で、
イタリアの高級ワイン、ティニャネッロを購入!夫、感涙です。(もちろん私も)
おひげのアントニオさんは気さくな方で、娘の名前を聞いて、
オレンジの香りのするビスケット(小麦粉でできた、丸いスコーンのようなもの。
結構大きめ)を一つ、プレゼントしてくれました。おいしかった!

他にも、このあたりの名物らしい太いパスタ「pici(ピチ)」(なんと22分も茹でるそう、ほんとかなぁ)、
生ハムとオリーブを買いました。
生ハムは「イノシシとブタ、どっちがいい?」と聞かれて、迷わず「ブタ」と即答。
(アントニオさん、「イノシシ」も「ブタ」も日本語でした。)
名物とはいえ、イノシシは、ちょっと…ね。
このお店、HPもあるんですよ。


ホテルに帰って、おいしいお酒をいただこう、と思っていましたが、歩きつかれて結局眠ってしまった。
残念!晩酌は翌日に延期です。


menu

旅日記3へ

http://www.anticapizzicheriachigiana.it/index.htm